【コラム】側面から子どもたちを支える立場として

児童養護施設の主役は児童です。そして、安心、安全に生活を送られる場所として施設があります。その子どもたちを支援する職種や役割は様々で、1年を通してこのコラムで紹介させていただきました。
養育の中心となる保育士や児童指導員、心の内面からサポートをする心理療法担当職員、家庭との調整をする家庭支援専門相談員、里親さんの支援をする里親支援専門相談員、子どもたちの健康な身体づくりに欠かせない管理栄養士・調理員、入所児童の養育(インケア)と同様に必要性の高いアフターケアを担う退所者支援相談員、施設運営の責任者である施設長などなど、他にも様々な役割、立場で子どもたちを支えています。
その中で、子どもたちを、職員を、施設を側面から支援するグループとして総務課があります。業務内容は皆様の企業の総務に関わるものと同じです。施設の収入は、行政からの措置費や補助金、民間の皆様からの寄付金や助成金等からなり、支出は児童の生活全般としての事業費、職員の人件費、施設の管理、整備等の事務費にあたり、これらの収支管理をしている経理、職員の福利厚生や就労等に関する庶務、その他にも施設管理や行政との調整、業者との取引など幅広く担う部署になります。
児童養護施設に入職するきっかけ、総務課に配属になった経緯はそれぞれですが、子どもたちを思う気持ちは養育職員と同じです。直接やり取りすることは少ないですが、学校からの下校時や外遊びの行き帰りに事務所に顔を出し、話しかけてくれることで、自分たちの職務が子どもたちにためになっていると感じられることになり、また、ホッと一息つける時間にもなります。
辛い経験をして入所してきた子どもたちの強みは、たくさんの大人が関われることです。
児相、学校、地域、医療、そしてご支援いただける皆様ともに「一人の子ども」を「多くの大人」が支える社会の一員として施設職員がおり、さらに側面から支える総務課職員の業務を通して、子どもたちに寄り添いたいと思います。

文 清明寮 清明寮 総務課長 野中利紀