【コラム】ムンド・デ・アレグリア学校より

浜松東ロータリークラブの皆さま、いつもご支援頂きありがとうございます。
昨年7月より1年間紹介記事を掲載していただきました。今回で最後となります。最後の記事では「ムンド校の30年構想」を紹介させていただきます。

2003年2月、目の前で困っている南米の子どもたちを助けるためムンド校を立ち上げました。日本語がわからず学校で勉強についていけない、異文化の中で孤立、居場所がない、母国語を学べないから母国語喪失で親子の会話ができなくなる、等々の問題を解消するためのセイフティネットの役割でした。設立から現校舎移転まで、教育の「受け皿」として母国語教育で学習を積み上げ、生活するための基礎的な日本語教育に努めるという最初の10年である「助ける期間」の時代でした。

2010年1月現校舎移転で受け入れできる場所が広くなり、積極的な「教育機会拡大」として、子どもたちの将来を守るため進路支援の充実(日本で進学・就職、母国で進学)に努めた期間です。日本にある外国人学校として進路指導はハードルの高いものですが、子どもたちの自己実現のために出来る限りの機会を与えることに努力した第二の10年で、助ける期間から「育てる期間」への移行です。

そして、来年創立20周年を迎え第三の10年に入ります。寺子屋的な活動から始まり、学校としての役割を少しずつできるようになり、実績・経験を積み重ね、これからのムンド校の活動は「社会に貢献する期間」であり、子どもたちの自己実現を具体化することに努めます。唯一無二の教育機関として、南米の子どもたちが「日本に来てよかった、日本でよかった」と思うことが出き、受け入れ側の地域社会の人たちにも「ムンド校があってよかった」と思ってもらえる学校を目指します。

これからもムンド校は「すべての子どもたちに学ぶ歓びを~教育に国境はありません~」というスローガンのもと、母国と日本の架け橋を目指して教育に邁進して参ります。今後ともどうぞ変わらない応援をよろしくお願い致します。ありがとうございます。

文・写真:ムンド・デ・アレグリア学校 校長 松本雅美