【コラム】清明寮心理面接の取り組み
清明寮では心理療法担当職員として2名が配置されており、子どもたちへの個別心理面接を行っております。
心理面接と聞くと、難しいことをしているのでは?と感じるかと思いますが、内容は月に2回1時間ほど、子どもと心理士と二人で一緒に工作をしたり玩具で遊んだり、特別に変わったことをしているわけでもありません。一緒にお散歩に出かけのんびり景色を眺めながらお話をして面接時間が終わるという子もいます。心理面接をしたから何かが劇的に改善するということはなく、楽しく心理面接の時間を過ごした後に寮舎へ戻り、すぐに子ども同士で大喧嘩になってしまい、泣き怒る声を聞くということもよくあることです。魔法の道具のようにすっきりと子どもたちの悩みや怒りが解決できればいいのですが、なかなかそういう訳にもいきません。
ただ、いつもと違う空間で、自分の好きなことを誰にも邪魔されずに過ごしていると、少しだけいつもは話せないようなことを教えてくれることや、今の気持ちを色々な表現で教えてくれることがあります。私たちの仕事はその小さなサインを見逃さないように拾ってあげることだと思っています。力不足を感じることも多いですが、「あ~楽しかった」と満足して遊んでくれるだけでもいいので、ちょっとした「ほっ」とする時間になっていたらいいなと願っています。
私がよく行っているのは子ども達のアルバム作りです。清明寮に来た時から今日まで、その時の思い出や出来事を職員にコメントを書いてもらい、子どもと一緒に写真を貼り一冊のアルバムを作り上げます。泣いたり笑ったり怒ったりしている写真とコメントを見ながら「こんなこと忘れちゃったよ~」と笑って振り返る時間は、私にとってもその子の成長を感じる幸せな時間です。どうか子ども達にとって清明寮の日々が少しでも良い思い出の積み重ねとなるよう、今後も寄り添い続けたいと思っています。
文 清明寮 心理療法担当職員 吉田理沙