【コラム】ムンド・デ・アレグリア学校より

浜松東ロータリークラブの皆さま、いつもご支援頂きありがとうございます。

言葉が話せても読み書きができないこと、想像できますでしょうか。。。日常会話はできるけれど、学年相当の勉強ができない、つまり学習言語は難しいのです。

母国語も日本語も両言語共に年齢相当のレベルに達していないことをダブルリミテッドといいます。一つの言語を母語として定着させておかなければこのような状態になってしまうことが多いのです。日本の学校で適応できなかった外国人の子どもたちに多い問題です。

周りの人たちは話せるから読み書きできると思ってしまいがちですが、話し言葉と学習言語は違うのです。そして、読み書きができないということは学習ができない、そして、思考もできない、ということです。

このダブルリミテッド(両方の言語が中途半端)の問題はかなり深刻です。早い段階であればリカバリーも難しくはないですが、義務教育が終了する頃にはかなり大変な問題となってきます。

ムンド校の進学実績、キャリア教育が実を結び自分の夢を叶えることを実践している卒業生が増えると、ムンド校では本人が頑張れば母国語も日本語も習得できるようになる、との口コミで中高生からの編入・転入が増えてきています。その中の多くの子どもたちがこのダブルリミテッドの問題を抱えています。

学校設立当時の問題から新たな困難な問題へと変わりつつありますが、ムンド校のスローガン「すべての子どもたちに学ぶ歓びを~教育に国境はありません」は変わりはありません。
スタッフ一同子どもたちの自己実現に向けて、出来る限りサポートできるよう努力していきます。

文・写真:ムンド・デ・アレグリア学校 校長 松本雅美