【コラム】ムンド・デ・アレグリア学校より

浜松東ロータリークラブの皆さま、いつもご支援頂きありがとうございます。
本校は、海外の日本人学校のように、南米にある学校が日本にある形です。カリュキュラムは本国教育省に従い、本国の教員免許をもった教員がポルトガル語、スペイン語で授業をしています。そして、外国語として日本語の授業を実施しています。
非漢字圏の南米の子どもたちには、日本語学習の中でも特に漢字学習が難しく、勉強が嫌になってしまうことも少なくありません。いかに漢字アレルギーにならずに漢字学習を楽しく出来るかを学校設立当時から模索してきました。ようやく楽しく、ストレスなく漢字を覚えることができるメソッドを見つけ、学ぶ意欲が上昇しました。これを機に、積極的に漢字学習を続けることができるように、2010年から毎月漢字道場(校内漢字昇級試験)を始めました。
当初受験する生徒数は一桁台でしたが、現在では毎月の申し込みが100名近くあり、一つでも上の級目指して努力する生徒が増えています。合格すると、全校生徒の前で賞状を授与し、柔道場の札かけ板をまねて生徒自ら昇級の札かけ式をするという表彰式を開催していますので、承認欲求が満たされることもモチベーションにつながるのだと思います。

多文化共生と言われて久しいですが、未だ年少者の日本語教育が確立されていません。漢字の指導法だけでなく、日本語学習そのものが子どもたちに適したものを常に探し求めています。
ムンド校は、自らが望めば、日本でも母国でも進学・就職できるよう機会を与える努力を続けています。「いけていけない」のと「いけなくていけない」のでは目指す力に大きな差があります。子どもたちが「日本に来てよかった、日本でよかった」と思える未来を目指しています。

文・写真:ムンド・デ・アレグリア学校 校長 松本雅美