【コラム】ムンド・デ・アレグリア学校より

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2022年2月6日、19回目の創立記念日を迎えることができました。ムンド校は、今から19年前、地元浜松のペルー人の親たちから「母国語で学べる学校を作ってほしい」と頼まれたことが学校設立のきっかけです。「日本語がわからないから日本の学校で勉強についていけずドロップアウトしてしまう、文化・習慣の違いでいじめにあってしまう、さらには母国語を勉強しないので親子の会話ができなくなってしまう」と親たちから深刻な悩みを聞きました。

当時浜松市にはすでにポルトガル語で学習できるブラジル人学校は5校存在し、全国では100校を超える数で、スペイン語で学習する学校は浜松市にはなかったのです。

目の前に困っている子どもたちがいるのであればと、頼まれた3カ月後にはムンド校を開校していました。しかし、開校してからがいばらの道で何度も諦めかけましたが、できることをしよう、できるところまでしよう、やっていることが正しければ残っていく、と踏ん張りました。

どんな時もブレなかったことは、学校は子どもたちのためのものであり、子どもたちに何が必要か、ということでした。他の多くの南米系の外国人学校が母国への進路中心の教育でしたが、ムンド校は子どもたちには日本でも母国でも自らが望めば進路が見出せるように両方の出口を用意できるように努めました。それは、経営がかなり厳しい南米系の外国人学校にとってはハードルのかなり高い挑戦でした。そしてその結果がでるのにも時間が必要でした。

教育の成果がでるまでには時間がかかります。現在では、私たちが信じて貫いてきた両言語を可能にしたこと(ダブルアドバンテージ)を証明する卒業生たちがたくさん育ってきてい
ます。これからもブレることなく教育理念を信じて精進していきたいと思います。

文・写真:ムンド・デ・アレグリア学校 校長 松本雅美