【コラム】ムンド・デ・アレグリア学校より

浜松東ロータリークラブの皆さま、いつもご支援頂きありがとうございます。

日本の子どもたちが将来進む過程において高校を選択する際、大学進学を希望する場合はA高校、高校卒業後就職希望であればB高校といったように、自らの希望に合わせて高校を選びます。学校側も進学中心か就職中心で分かれていますので、生徒たちへの進路指導は決まっています。

ムンド校の場合、高校生たちの進路は母国での進学、日本での進学または就職と3通りに分かれますので進路指導も大変です。そして生徒たちの保護者は出稼ぎで来日していることもあり、将来が不安定でそれが子どもたちの将来に大きく影響します。(実際子どもたちの
進路が親の事情で変わることは少なくありません)

ですので、ムンド校での進路指導、キャリア教育は日本の高校のやり方とはかなり異なり難しい問題です。日本での進学の場合は、カリュキュラムが異なり、特に社会の科目では大きな違いがありますので国公立の選択肢はなくなります。必然的に私立大学の選択になりますが、経済的な問題で地元に近い範囲での選択になり、選択肢が狭まります。

また、高校卒業後日本で就職となると、これまでほとんどの保護者が派遣社員として働き、正社員としての雇用にほど遠い存在であることで必然的に子どもたちもその流れに向かってしまいます。技術や経験、実績を積み上げ、そして安定的な将来のためにも正社員での
雇用を目指してもらいたいと強く願っています。そのためには様々なハードルがありますが、自身の気持ちと努力があれば可能性は大ですので、スタッフ一同全面的にサポートしています。少しずつその成果が出てきています。今後も一人でも多くの子どもたちが自己実現できるよう努力を続けていきます。

文・写真:ムンド・デ・アレグリア学校 校長 松本雅美