特別展示「螺鈿紫檀五絃琵琶(模造品)」10月2日(土)から11月7日(日)まで開催!

日本には、奈良時代に中国から伝わった琵琶がほぼ当時の状態で保存されているのをご存じでしょうか? それほど昔であれば、通常は地中から発掘される等、かたちをとどめていないように思えますが、東大寺の正倉院にて、琵琶だけでなく、美術品、調度品、仏具等が1,300年もの間、ほぼ原型を留めた状態で大切に保存されてきました。これらの宝物は、756年の聖武天皇四十九日法要で悲しみにくれていた光明皇后が、天皇の冥福を祈り、ゆかりの品々を大仏に献上したのがはじまりです。
正倉院に保存されている琵琶で、最も代表的なものは、夜光貝の螺鈿やタイマイ(カメのべっ甲)の華やかな装飾が施された第一級の美術工芸品「螺鈿紫檀五絃琵琶」です。ヘッドの部分が後方に折れ曲がっておらず真っ直ぐなのが特徴の五弦琵琶で、この形状はインド発祥とされ、世界で唯一正倉院に現存しています。実は、現在開催中の琵琶の企画展にあわせる形で10月2日~11月7日までの間、「螺鈿紫檀五絃琵琶」の模造品を特別展示しております。製作者は、日本でただ一人の琵琶製作修理の選定保存技術保持者である四世石田不識氏。装飾には、タイマイ、白蝶貝、琥珀、象牙、鯨骨等の素材が使用され、サイズも全く同じものです。そのため、レプリカとはいえ、当時の輝きを再現している大変貴重な琵琶です。この機会に是非ご覧いただけたらと存じます。

 

特別展示「螺鈿紫檀五絃琵琶(模造品)」
開催期間:2021年10月2日(土)~11月7日(日)
開館時間:9:30~17:00
会  場:浜松市楽器博物館 展示室内
観 覧 料:常設展観覧料のみでご覧いただけます
主  催:公益財団法人浜松市文化振興財団、浜松市